㉖RER のB線で試される危機回避能力
2019年6月 パリ一人旅6日目 その2
リュクサンブール美術館の絵画鑑賞と、アンジェリーナの大満足のランチで
かつてない幸福感に満たされました。午後の予定はソー公園\(^o^)/
しかし、浮足立ってばかりはいられません。初めてのRER乗車が次のミッションです。
パリでは、メトロ、バス、トラム、船と様々な乗り物を体験済みですが、
RERに一人で乗った事は無いのです。
訳の分からない事をやってしまって、なにか大変なことになったらどうしよう・・
というビビり癖が顔をのぞかせますが、勇気を奮い起こして、リュクサンブールの駅に
潜っていきます。
地下にあるこの駅は結構広くて、もちろんですが乗降客もたくさんいました。
自動改札ゲートがいくつかあり、どのゲートに進むべきなのか、しばし観察。
でも、登りと下りしかないし、改札を通ってからホームに行くわけなのでとりあえず
ゲートを通りましょうと、ナヴィゴをかざすとラップドアが左右に開いて大喜び。
難なくホームへとたどり着けました。当然と言えば当然ですが・・
電車が来るのを腰かけて待つこと1分、電車が入ってきました。
グーグルガイドによると、私は次の電車に乗るべきらしいのですが、一人でベンチに座
って、更に10分待つのがなぜか苦しく思えて、つい、先の電車に乗ってしまいました。
・・・方向はあってるし、大丈夫でしょう。
次の停車駅はダンフェール・ロシュロー。私の好きなダゲール通りの近くです。
ダンフェール・ロシュローを過ぎると、電車は地上を走ります。
特別良い眺めはありませんが、地下より断然良いです。パリとは一味違う車窓です。
しかし! ふと気が付くと電車はたくさんの駅をスキップしています。
ひよっとして快速だった? ?
まずい、ソー公園の駅もスキップされてしまうのでは ! ! と言う不安が増大。
だから次の電車に乗るようにと、表示されていたに違いない・・まずい・・
と言うわけで、次に停車したら、どこであっても電車を降りようと決意。
幸運にもソー公園駅の一つ手前で電車を降りて、後続の電車に乗り換え、
無事にソー公園駅で下車。間一髪で、危機を回避。
やっぱりグーグルガイドには従うべきだったのですね。
昨日のパルク・ド・サン=クルーでの経験を全く活かしていない自分に
あきれながらも、結果オーライで一安心です。
ところが、一難去ってまた一難、ソー公園駅では更なる危機が待っていたのでした。
自動改札機にナヴィゴをかざして駅を出ようとしたところ、ブーッというブザーが鳴っ
てしまいました。隣の改札機にチャレンジするも、ブーッ! ついにはすべての改札機に
拒否られて、それに気づいた駅員さんがオフィスからやってきました。
とても険悪なムードです。がっちりした女性の駅員さんで、両手を腰に当てておもむろ
に近づいてきます。何か言わねば― ! 困って困って・・・どうにかセリフを絞り出し
プルクワ? サヌマルシュパ ! どうして? これ使えません!
言っては見たものの、なんだか間が持たないので、同じセリフをもう一度繰り返す・・
プルクワ ! サヌマルシュパ~ !
駅員さんは、自分のカードをかざして私を通してくれましたが、お小言らしい物言いで
語り始めます。どうも、叱られているようです。
いったい何が起きているのか理解できずに、頭の中が真っ白になります。
無理だ。とても自分では解決できない。だけど、頼れる人は誰もいない。
これから私は、鉄道警察みたいなところに連行されるのかな・・・
でも、その時のために用意してきたセリフがある。それを使う場目面が目に浮かびます
エスキリヤ ケルカン キ パホル ジャポネ 日本語を話す人はいませんか。
などと思いめぐらせていると、ひとつ耳に入りました、駅員さんの単語。
キャトフ! えっ? 4 よん?
4って、ここはゾーン4だと言いたいの?
そういうことなら、おずおずしているわけにはいきません、断じて。
ノン ! サンク ! いいえ、5
私は左手に握ったナヴィゴを突き出し、右手の手のひらを開いて5を示し
仁王立ちになって応戦します。
このナヴィゴは間違いなくゾーン5まで有効なんです。買ったときにレシートを見てよ
く確認しました。
すると駅員さんは私のナヴィゴをオフィスの専用機で確認。
ようやく何らかの嫌疑が晴れたようです。
どこから乗ってきたの? と聞かれいてるみたいだっので リュクサンブールと回答。
駅員さんは“その時にナヴィゴが反応しなかったんじゃない”みたいなジェスチャー。
・・・ちょっと腑に落ちない感じもするけど、何とか自力で乗り切ったーー!
と、心は晴れ晴れです。
4ユーロとか、4時とか、数字に単位がついていたら聞き取れませんし、
2桁の数字は理解するのに時間がかかります。奇跡的に耳に入った一つの単語で
事態が収束するとは、未だに信じられません・・
次のブログは、いよいよ ソー公園です。
今回は写真が無いので、ソー公園入り口付近の彫像です。
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